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世界で最も流通量や取引量が多い米ドル。米ドルは世界の基軸通貨であるため、比較的安定した通貨といわれています。しかし、まったく値動きがないというわけではありません。

特に連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策やFRB議長の議会証言は、米ドルに影響を与えるといわれています。
ここでは、FRBの金融政策やFRB議長の議会証言が米ドルに与える影響について見ていきましょう。

1.連邦準備制度理事会(FRB)とは

連邦準備制度理事会(FRB)について知るために、まずはアメリカの中央銀行について理解しておきましょう。中央銀行はその国の紙幣を発行し、金融政策を決定する銀行のことですね。日本の中央銀行なら日本銀行です。

ところが、アメリカには日本銀行のような中央銀行はありません。FRB・連邦準備銀行・連邦公開市場委員会(FOMC)の3つの機関で中央銀行の役割を分担しているのです。

アメリカのこうしたシステムを「連邦準備制度」といいます(連邦準備銀行もFRBの略称で表しますが、報道などでは通常FRB=連邦準備制度理事会であることが多い)。それぞれの役割は以下の通りです。

  • FRB…大統領が任命した7名の理事で構成され、7名の中から議長がひとり選ばれます。ワシントンD.C.に置かれ、連邦準備制度を統括。連邦準備制度で決められた政策の責任はFRBにあります。
  • 連邦準備銀行…ニューヨークやボストンなど全米に12ある銀行。ドル紙幣を発行し、市中の銀行を監督しています。公開市場操作以外の金融政策を実行するのが、連邦準備銀行の仕事です。
  • FOMC…FRB理事7名+各連邦準備銀行総裁から選ばれた5名の計12名で構成される委員会。年8回開かれ、金融政策の基本方針を決定します。ドルの流通量を調節するのもこの委員会です。

2. FRB議長の議会証言は重要

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FRB議長はアメリカ金融政策に多大な影響力を与える人物。任期は1期4年で大統領が指名、上院議会が承認して選ばれます。FOMCの運営も行い、いわばアメリカ金融政策の最高責任者です。

その発言が世界経済に大きな影響を与えるのは、当然のことでしょう。議長の発言ひとつで世界の投資家が反応し、為替市場が大きく動くということも多々あります。さまざまな発言の中でも、上院・下院で金融政策について現状と今後の見通しなどを語る議会証言は、世界中の投資家が注目しているのです。

3.現FRB議長ジャネット・イエレン氏はどんな人?

ジャネット・イエレン氏は1946年生まれの経済学者です。サンフランシスコ連邦準備銀行総裁、前FRB議長バーナンキ氏の下でFRBの副議長を経て、2014年第15代FRB議長に就任。女性が議長になるのはFRBの歴史で初めてのことです

1997年から1999年までビル・クリントン政権で大統領経済諮問委員会の委員長も務め、経済政策のエキスパートとして知られています。

イエレン氏は、金融政策ではドル安や株高を目指すインフレ容認派と考えられています。「金利を安易に上げない」「金融緩和を安易に停止しない」という考えの持ち主です。前FRB議長バーナンキ氏も同じくインフレ容認派でしたが、彼に比べると、緩やかにインフレになることを目指しているのではないかと見られています。

しかし、イエレン氏はインフレよりも失業に関心があるのではないでしょうか。2016年8月には、経済活動の堅調さやインフレの見通し等により、利上げに前向きな発言をしていました。しかし、9月初旬に出た雇用統計の数字が市場の事前予想より予想外に悪かったため、わずか1か月で利上げを見送る会見を行ったのです。

4.まとめ

今のアメリカ経済は、戦後の他の景気拡大時期に比べて、長い期間景気拡大が続いています。ということは、次にいつ景気の後退が起こってもおかしくありません

しかし、今は大統領選挙が控えているため、積極的な金融政策を行いづらい時期でもあります。金融政策を間違えると、それが景気の後退につながるかもしれません。

見てきた通り、FRB議長はいわばアメリカ金融政策の最高責任者です。その発言1つでマーケット、FX市場が大きく動きます。
今後、FRBがどのような政策を打ち出すのか、イエレン議長がどのような議会証言をおこなうのか。ますますその発言に注目が集まるでしょう。

スコットランドの街

2014年9月18日。スコットランドで、イギリスから独立をするかどうかの住民投票が実施されました。

結果は独立反対が55%、賛成が45%で独立は否認されましたが、一時は賛成派が反対派より上回っていると報道され、市場は混乱します。

では、スコットランドの独立は、イギリスやポンドにどのような影響を与えるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

1.スコットランドとイギリスの歴史

もともと、スコットランドは独立した1つの国でした。その後、イングランド、つづいて北アイルランドと合併して今のイギリスになります。

1960年代、スコットランド沖で北海油田が発見されました。この北海油田がのちのスコットランド独立問題の1つの争点になります。

スコットランドでは徐々に独自の議会を設置したいという声が高まっていき、1979年の住民投票では否決されたものの、1997年の住民投票で可決。1999年にスコットランド議会を設置し、約300年ぶりに自治権を得ます。

一時的に独立志向は弱まりますが、2011年のスコットランド議会の総選挙で、独立の推進を掲げるスコットランド国民党が過半数の議席を獲得。2012年に住民投票の実施が決まりました。

2014年に住民投票が実施されましたが、独立は否認。住民投票は日本でもニュースで大きく報じられたので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

2.もしも、スコットランドが独立したら…

スコットランドが独立したらどうなっていたでしょうか。

①為替市場

2014年、一時独立賛成派が優勢と言われたときにはポンドが急落しました。対ドルで1ポンド=1.61ドル半ばまで値を下げ、その年の安値を更新。対円でも1ポンド=約170円となり3か月ぶりの安値をつけています。

その後、独立が否認されたことで日々の動きは大きく変動しながら、この流れは徐々に回復していきました。

もしもスコットランドが独立した場合、ポンドは大きく下落し、ポンド・ユーロ売りのドル・円買いの流れになるでしょう。

②ポンド問題

独立した場合、スコットランドは国の通貨としてポンドが使えなくなるかもしれません。イギリス政府は「スコットランドが独立したらポンドは使わせない」、スコットランドは「イギリスはスコットランドのポンド使用を妨げることはできない」と言い分は対立しています。

もし新通貨が誕生するとなると、為替市場や世界経済に混乱を招ことになるでしょう。

③北海油田問題

スコットランドが独立を考える最大の原因といっていいのが、北海油田をめぐる問題です。

北海油田の大部分はスコットランドの領海にあります。しかし、その利権はイギリス政府が握っているため、スコットランドは北海油田による利益を独占できません。

スコットランド国民党は「独立すればスコットランドの人1人あたりの所得が年約17万円増加する」と主張しています。

④EUへの加盟

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スコットランドはEUへの残留を希望していましたが、イギリスは離脱を決定しました。今までに加盟国から分離した地域や国がEUに加盟した前例がなく、またスコットランドは中央銀行がないためEU入りは難しいとされています

もし、スコットランドが独立し、EUへの加盟を希望すると、ヨーロッパ全土を巻き込んだ問題に発展するでしょう。

⑤債務問題

スコットランドが独立した場合、イギリスが抱える債務のうち、1,000億ユーロ以上を負担する必要があるといわれています。

独立した場合の国債の格付けは「シングルA」程度になるのではないでしょうか(格付けはAAA〈トリプルA〉を最高にAAA~A、BBB~B、CCC~Cと分かれる。さらに、それぞれの階級に+、-を加えて3段階に細分化する。投資に適格とされるのはBBB-までとされている)。

国債の格付けが低いとお金が集まりませんので、いきなり財政が苦しくなる危険性を伴います。

まとめ

スコットランドの独立問題は、2014年の住民投票で否認され一旦は落ち着きました。しかし、イギリスがEUからの離脱を決めたことで、この問題が再熱する可能性があります。

EUにとって、イギリスのEU離脱だけでも大問題。そこにスコットランドの独立問題が加わるると、ユーロッパ全土の経済が混乱するでしょう。

スコットランドの独立問題はつねにくすぶり続けています。今後もスコットランドの動きに注意しておきましょう。

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2016年6月23日、英国でEUからの離脱の是非を問う国民投票が行われました。結果はEU離脱派の勝利に終わります。

では、その国民投票が世界経済にどのような影響を与えたのでしょうか。くわしく見ていきましょう。

1. そもそも国民投票はなぜ行われたのか?

そもそも、なぜ国民投票が行われることになったのでしょうか? 2009年ごろから欧州議会議員選挙やイギリス統一選挙で、EUからの離脱を唱える英国独立党が議席数を伸ばしはじめます。

2013年、キャメロン首相はその動きをけん制するために、国民投票をする方針であると表明したのです。

なぜ、EUからの離脱を唱える英国独立党が躍進してきたのか? それは、イギリス国民の間に移民や難民の増加による不満や、EUにおける債務危機に対しての不信感があったからです。

①移民や難民の増加

移民の増加はイギリス人の失業率悪化を招きます。また、難民の費用は国の税金から支払われることも、イギリス人の不満につながりました。

そのため、EUから離脱したいと思う人が増えてきたのです。

②EUにおける債務危機

EUにおける債務危機は、もともとギリシャの財政危機が発端です。それがEU各国に飛び火しました。イギリス人の中には「EUに加盟していなければ他国の財政危機の影響は受けなかったのに…」と思う人が増えていきます。

EU残留派にも言い分があります。それはEUから離脱すると、企業や金融機関がイギリスから出ていくのではないかという懸念です。EUの加盟国間では関税はかかりません。そのためEUで取引をしたい多くの企業は、イギリス特にロンドンに支店を置いています。

しかし、イギリスがEUから離脱すると、イギリスとEU加盟国との取引に関税がかかるために企業や金融機関がイギリスから出ていき、他のEU加盟国、特にフランスやドイツに移るでしょう。それはイギリスで多くの失業者が出ること意味します。

2. 国民投票の結果と為替への影響

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国民の税負担の増加や失業率の増加を訴えたEU離脱派と、ロンドンの地位低下や金融業界の失業者の増加を訴えたEU残留派。当初の予想では、EU残留派が勝利するという見方が多数を占めていました。

しかし、結果は離脱票が51.9%、残留票が48.1%。離脱派が勝利します。当初の予想を裏切る形となったため、市場は大きく動きました。

日経平均株価は前日より1200円以上も値を下げ、1万4952円に。これは史上8番目の下げ幅でした。

為替市場はどうだったか。ポンドを売って、ドルや円に換えようという動きが加速しました。ポンド・ドル相場が1.33ドル台と1985年以来31年ぶりの安値をつけ、ドル円相場も一時1ドル99円台に突入します。これは数日経っても収まらず、世界経済は大混乱に!

3. イギリスの今後はどうなる?

イギリスはすぐにEUを脱退できるのでしょうか。答えはNOです。少なくとも脱退まで2年はかかります。

EUを脱退するには、リスボン条約で2年かかることが決められているからです。脱退までの流れを見てみましょう。

①EU理事会へ通告

EU理事会に脱退を通告ここから脱退まで2年かかります。

②EU委員会と交渉

脱退するための段取りや条件を、EU委員会と交渉する必要があります。EUもイギリスも当然、自分に有利になるように交渉したいと思いますよね。

EUは離脱が他の加盟国に及ばないようにしたいので、厳しい条件をつけると予想されますし、イギリスはできれば関税をかけたくないと思っているので、交渉は難航し長期間化が予想されるでしょう

③EU議会の承認

交渉がまとまっても、EU議会の承認を受ける必要があります。EU議会過半数の承認を得なければなりません。

④EU理事会の承認

EU議会で過半数の承認をうけると、最後の関門はEU理事会の承認。ここで脱退協定が承認され、イギリスのEU脱退が正式に決まるのです。

まとめ

国民投票が終わっても、まだ長い道のりがあります。

この過程で、さらなる混乱がおこる可能性も否定できません。

脱退協議の混乱は即、マーケットの混乱につながる可能性もあるため、今後もイギリスの動きには注視が必要でしょう。

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2010年、2015年にギリシャで起こった一連の財政危機問題。ニュースなどでも頻繁に報道されたので、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか?

ギリシャ問題はユーロ圏だけでなく、世界の経済やマーケットに大きな混乱を引き起こしました。

一体、ギリシャ問題とは何だったのか。EUやユーロにどんな影響を与えたのか。今回は、ギリシャ問題について詳しく見ていきましょう。

1.2010年のギリシャ危機

実は、ギリシャ問題、いわゆるギリシャ危機は2回ありました。

まずは、事の発端である2010年のギリシャ危機から見ていきましょう。

①ギリシャ危機の始まり

そもそもの発端は2009年10月、新政権になったことでした。新政権がいままでの財政を確認したところ、赤字額が発表してきた額の3倍以上だったことがわかったのです。これは、国家を危機的な状況に陥れるぐらいの赤字でした。

新政府は解決策として給与や年金を減らし、税金を上げることを発表します。すると怒った国民がストライキを起こし、まさに大混乱に陥ったのです。

ギリシャでの混乱は、世界にも大きな影響を及ぼしました。「ポルトガルやイタリア、アイルランド、スペインなど他のEU諸国も、じつは財政破綻しているのではないか?」「ギリシャがユーロを使っているため、今回の騒動がユーロ圏全体に悪影響を及ぼすのではないか?」と、世界中が疑いと不安のまなざしをEUに向けたのです。

しかも、EUはギリシャを援助するのか見捨てるのか、しばらく態度をはっきりさせませんでした。投資家は徐々に不安になり、結果ユーロを見捨てリスク回避に動きます。

②為替への影響

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ギリシャ危機は当然、為替にも影響を及ぼしました。まず、影響を受けたのはギリシャ国債です。格付け各社がギリシャ国債の格付けを引き下げ、その影響で国債は急落します。外国為替市場でもユーロは下落、世界各国の株価も下落しました。

この間「危機は収まるのではないか」という好意的な意見と、「収まらないのではないか」という悲観的な意見が入り交じり、マーケットはその都度、大きく動いています。

IMF(国際通貨基金)とEUを中心に、ギリシャへの金融支援が決まったのは2010年4月のこと。2010年5月と2012年2月に支援を行うかわりに、ギリシャには厳しい緊縮財政策が課され、IMFへの返済期限は2015年6月と設定されました。

しかし、このことが2015年のギリシャ危機を引き起こすことになるのです。

2.2015年のギリシャ危機

2012年の金融支援のおかげもあり、ギリシャは財政面で改善の兆しを見せていましたが、緊縮財政により国民の生活は苦しくなりました。国民の支持は、緊縮政策に反対する最大野党の急進左派連合(SYRIZA)に移り、2015年1月の総選挙で、急進左派連合のチプラス政権が誕生したのです。

このことが2015年ギリシャ危機の引き金になりました。EUは一層の緊縮策を求めましたが、チプラス政権は緊縮策の受け入れに否定的な立場を表明します。

2015年6月、IMFへの返済期限が近づいていましたが、ギリシャは返済できる状況ではありません。しかし、IMFは猶予期間を設けたり返済延期措置を行ったりはしないとしたため、ギリシャは緊縮財政策を受け入れるか否かについて、国民投票を実施しました。結果は、なんと反対多数

ここで、ギリシャのユーロ離脱が現実味を帯びますが、最終的にはギリシャが折れた形となりました。ギリシャが厳しい条件をのみ、3度目の金融支援を受けることになったのです。

2010年と同じように、外国為替市場は何か動きがある都度大きく動きましたが、金融支援の合意で、何とか大混乱には至らずに済んでいます。

まとめ

このように、ギリシャ問題はEUやユーロに大きな影響を与えました。現在、EUはシリアからの難民問題を抱えていて、ギリシャは難民流入ルートの最前線に位置します。またEUと対立するロシアに近いなど、ギリシャの地理的重要性は増すばかりです。

そこで、債務についても、ギリシャの改革状況によっては負担を軽減しようという動きが出てきました。それでも、ギリシャには大きな債務が残っているため、今後も危機が再発するおそれはあります

これからも、ギリシャ問題には注意を払いましょう。

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ユーロとは切っても切れない関係にある欧州中央銀行(ECB)。ECBの動向一つで、為替レートが大きく変動することもしばしばあります。

では、そもそもECBとはどのようなものでしょうか?

またユーロとどのような関係にあるのでしょう。ここでは、ECBについて詳しく見ていきます。

1.ECBはユーロ圏における「銀行の中の銀行」

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「中央銀行」とは、銀行券(紙幣)を発行したり、国内に数多くある銀行に資金を貸したりする公共的な金融機関のこと。その役割から「銀行の銀行」呼ばれています。日本における中央銀行は、日本銀行ですね。

ヨーロッパの様々な国が加盟しているEUの場合、少し事情が異なります。EUの統一通貨であるユーロを使っている国は、19か国(2016年現在)です。

19か国はそれぞれが独立した国であるため、それらの国をとりまとめる銀行組織として、欧州中央銀行(ECB)がつくられました。ECBはユーロ圏全体の中央銀行というわけです。

2.ECBの目的とできること

ECBの最も重要な目的は、ユーロ圏においてインフレやデフレを抑制し、物価の安定を図ること。また、雇用の創出と経済成長の維持というEUの経済政策を支援するのも重要な役割です。

ECBは2つの目的遂行のために金融政策の方針を示し、それを受けて、ユーロ圏各国の中央銀行が政策を実行しています。

ECBの金融政策のひとつが、物価を安定させるために政策金利を決定すること。「物価の安定」とは、ユーロ圏の消費者物価指数の前年比伸び率が「2%より少し下」である状態を指します。なかなか微妙な言い回しですね。

民間銀行に貸し出す際の金利のことを「政策金利」といいます。政策金利を引き上げれば、民間の銀行に貸し出す際の金利があがるだけでなく、民間の銀行が会社などに貸し出す際の金利も上昇します。金利が上昇することで、物価の上昇が抑えられるのです。

つまり、ECBの金利上昇→民間の銀行の金利上昇→会社が支払う金利大→景気が下向き→物価は上昇しない、という流れです。

逆に、政策金利を引き下げると、ECBの金利下降→民間の銀行の金利下降→会社が支払う金利小→景気が上向き→物価は上昇する、となります。

また、ユーロ紙幣の発行や各種統計情報の収集も、ECBの重要な任務です。

3.ユーロとの関係

上述したとおり、ECBはユーロ圏全体の物価の安定のため、政策金利を上下させることができます。FX通貨のユーロも少なからず、政策金利の影響から免れることはできません。なぜなら、一般的に金利が上がれば通貨が買われ、下がれば売られる傾向にあるからです。

政策金利はECB理事会が決めています。理事会を構成しているメンバーはECB役員会の6名(総裁、副総裁、専務理事4名)と、ユーロ圏内の19人の中央銀行総裁。毎月上旬に政策金利が発表されるので、注意しておきましょう。

政策金利発表後に行われるECB総裁の定例記者会見での発言や、その他要人の発言も、ユーロの値動きに大きな影響を与える可能性があります。

ただし、政策金利の数字やECB総裁の定例記者会見での発言内容そのものよりも、事前の予想と比べてどうかというほうが大切です。例え悪い指数が出ても、事前の予想と同じであれば大きく変動することはありませんし、良い指数が出ても、事前の予想とかけ離れていると大きく変動します。

まとめ

以上、見てきたとおり、ユーロ圏の経済にとってECBは重要な役割を果たしています。ユーロの値動きを見極めるためにも、ECBが決定する政策金利には注意してください。

今後、EU加盟国の経済に、ギリシャ問題のような重大な問題が起きる可能性があるかもしれません。そのときには、ECBの役割はさらに大きくなるでしょう。