イギリスが格下げされた。ポンドとFXへの影響を考える

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2016年6月23日に行われたイギリスの国民投票でEU離脱派が勝利し、イギリスのEUからの離脱が決定しました。

これを受けて、格付け会社が相次いでイギリス国債を格下げしています。

ムーディーズはAa1(ダブルAプラス)の格付けを守ったものの、見通しをネガティブに変更。フィッチ・レーティングスは「ダブルAプラス」から「ダブルA」に、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)も「トリプルA」から「ダブルA」にそれぞれ格下げしました。

つまり、大手3社でイギリス国債は最上位ではなくなったわけです。このことがどのような影響を与えるのか、見ていきましょう。

1.格付け会社って何?

そもそも、「格付け会社」とはどのようなものなのか。よくニュースなどで聞きますが、具体的に何をしているのか、知らない人もいらっしゃるのでないでしょうか?

格付け会社は、国債や金融商品をランク付けする民間企業です。投資家に対して、その国債や金融商品が安全かどうかを判断する材料として、格付け情報を提供しています。

格付け会社のビック3が、先ほど紹介したムーディーズ、フィッチ・レーティングス、S&P。投資家はそれらの格付け情報を投資の判断基準にします。

国債や金融商品の提供側からすると、格付けが高ければ投資家からの人気が高くなり、利息を多少低くしてもお金が集まります。しかし、格付けが低ければ、投資家からの人気は低くなり、利息を高くしないとお金が集まりません。

ちなみに日本国債は「Aプラス」です。だいたい中の上といったところでしょうか。しかし、円は世界的に安全な通貨と思われているので、有事などで円は買われる傾向にあります。

格付けだけが為替市場に影響を与えるものではないことも、覚えておいた方がいいですね。

2.イギリス国債の格下げで何が起きた?   

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では、イギリス国債が格下げされたことで何が起きたのでしょうか? 外国為替市場では、格下げの影響を受けてポンドが売られました

対ドル相場では、一時1ポンド=1・31ドル台という31年ぶりの安値を記録。ロンドンの株式市場でも、金融大手の株価が約15%~17%という大幅な下落となりました。

現在は安定を取り戻しつつありますが、イギリス国債の格下げをきっかけにいろいろなことが起こるのではないかと危惧されています。

まず、イギリスの銀行の格付けが下がるのではないかという懸念。

イギリスの銀行の格付けが下がると当然、銀行に対する信用力が下がります。信用力が下がると、銀行が発行している債券の価値も下がりますね

債券の価値が下がるとリスク回避の流れができ、市場の動きが慌ただしくなります。イギリスの銀行が発行している債券には、世界中の投資家が投資しているのです。そのため債券の価値が下がれば、世界経済に影響を与える可能性もあるでしょう。

また、イギリスでは不動産の価値も下落しているといわれています。これは、ヨーロッパの中心、拠点としての価値が下がっているからです。

3.イギリス分裂の危機も…

最も危惧されている事項はイギリスの分裂です。S&Pも次のように指摘しています。

①イギリス国債の格下げがポンドの価値を低下させ、通貨ポンドが基軸通貨としての地位を喪失するのではないか。

②ポンドの下落は、予想を上回る景気の停滞や、それに伴う財政の悪化を起こすのではないか。

③スコットランドが再度独立についての住民投票を行うのではないか。

こうしたことが起きた場合、さらなる格下げが行われると思われます。特にスコットランドはEU残留を望んでいるといわれており、もし再び住民投票を行えば、イギリスから独立という可能性もあるでしょう。

まとめ

スコットランドの独立はイギリスの小国化を招き、ポンドの価値の喪失は免れません。

イギリスのEU離脱には最低でも2年はかかります。今後のイギリスの動きに引き続き、注意しておきましょう。

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