スコットランド独立とポンドの関係性!FX取引にどんな影響が?

スコットランドの街

2014年9月18日。スコットランドで、イギリスから独立をするかどうかの住民投票が実施されました。

結果は独立反対が55%、賛成が45%で独立は否認されましたが、一時は賛成派が反対派より上回っていると報道され、市場は混乱します。

では、スコットランドの独立は、イギリスやポンドにどのような影響を与えるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

1.スコットランドとイギリスの歴史

もともと、スコットランドは独立した1つの国でした。その後、イングランド、つづいて北アイルランドと合併して今のイギリスになります。

1960年代、スコットランド沖で北海油田が発見されました。この北海油田がのちのスコットランド独立問題の1つの争点になります。

スコットランドでは徐々に独自の議会を設置したいという声が高まっていき、1979年の住民投票では否決されたものの、1997年の住民投票で可決。1999年にスコットランド議会を設置し、約300年ぶりに自治権を得ます。

一時的に独立志向は弱まりますが、2011年のスコットランド議会の総選挙で、独立の推進を掲げるスコットランド国民党が過半数の議席を獲得。2012年に住民投票の実施が決まりました。

2014年に住民投票が実施されましたが、独立は否認。住民投票は日本でもニュースで大きく報じられたので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

2.もしも、スコットランドが独立したら…

スコットランドが独立したらどうなっていたでしょうか。

①為替市場

2014年、一時独立賛成派が優勢と言われたときにはポンドが急落しました。対ドルで1ポンド=1.61ドル半ばまで値を下げ、その年の安値を更新。対円でも1ポンド=約170円となり3か月ぶりの安値をつけています。

その後、独立が否認されたことで日々の動きは大きく変動しながら、この流れは徐々に回復していきました。

もしもスコットランドが独立した場合、ポンドは大きく下落し、ポンド・ユーロ売りのドル・円買いの流れになるでしょう。

②ポンド問題

独立した場合、スコットランドは国の通貨としてポンドが使えなくなるかもしれません。イギリス政府は「スコットランドが独立したらポンドは使わせない」、スコットランドは「イギリスはスコットランドのポンド使用を妨げることはできない」と言い分は対立しています。

もし新通貨が誕生するとなると、為替市場や世界経済に混乱を招ことになるでしょう。

③北海油田問題

スコットランドが独立を考える最大の原因といっていいのが、北海油田をめぐる問題です。

北海油田の大部分はスコットランドの領海にあります。しかし、その利権はイギリス政府が握っているため、スコットランドは北海油田による利益を独占できません。

スコットランド国民党は「独立すればスコットランドの人1人あたりの所得が年約17万円増加する」と主張しています。

④EUへの加盟

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スコットランドはEUへの残留を希望していましたが、イギリスは離脱を決定しました。今までに加盟国から分離した地域や国がEUに加盟した前例がなく、またスコットランドは中央銀行がないためEU入りは難しいとされています

もし、スコットランドが独立し、EUへの加盟を希望すると、ヨーロッパ全土を巻き込んだ問題に発展するでしょう。

⑤債務問題

スコットランドが独立した場合、イギリスが抱える債務のうち、1,000億ユーロ以上を負担する必要があるといわれています。

独立した場合の国債の格付けは「シングルA」程度になるのではないでしょうか(格付けはAAA〈トリプルA〉を最高にAAA~A、BBB~B、CCC~Cと分かれる。さらに、それぞれの階級に+、-を加えて3段階に細分化する。投資に適格とされるのはBBB-までとされている)。

国債の格付けが低いとお金が集まりませんので、いきなり財政が苦しくなる危険性を伴います。

まとめ

スコットランドの独立問題は、2014年の住民投票で否認され一旦は落ち着きました。しかし、イギリスがEUからの離脱を決めたことで、この問題が再熱する可能性があります。

EUにとって、イギリスのEU離脱だけでも大問題。そこにスコットランドの独立問題が加わるると、ユーロッパ全土の経済が混乱するでしょう。

スコットランドの独立問題はつねにくすぶり続けています。今後もスコットランドの動きに注意しておきましょう。

イギリスが格下げされた。ポンドとFXへの影響を考える

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2016年6月23日に行われたイギリスの国民投票でEU離脱派が勝利し、イギリスのEUからの離脱が決定しました。

これを受けて、格付け会社が相次いでイギリス国債を格下げしています。

ムーディーズはAa1(ダブルAプラス)の格付けを守ったものの、見通しをネガティブに変更。フィッチ・レーティングスは「ダブルAプラス」から「ダブルA」に、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)も「トリプルA」から「ダブルA」にそれぞれ格下げしました。

つまり、大手3社でイギリス国債は最上位ではなくなったわけです。このことがどのような影響を与えるのか、見ていきましょう。

1.格付け会社って何?

そもそも、「格付け会社」とはどのようなものなのか。よくニュースなどで聞きますが、具体的に何をしているのか、知らない人もいらっしゃるのでないでしょうか?

格付け会社は、国債や金融商品をランク付けする民間企業です。投資家に対して、その国債や金融商品が安全かどうかを判断する材料として、格付け情報を提供しています。

格付け会社のビック3が、先ほど紹介したムーディーズ、フィッチ・レーティングス、S&P。投資家はそれらの格付け情報を投資の判断基準にします。

国債や金融商品の提供側からすると、格付けが高ければ投資家からの人気が高くなり、利息を多少低くしてもお金が集まります。しかし、格付けが低ければ、投資家からの人気は低くなり、利息を高くしないとお金が集まりません。

ちなみに日本国債は「Aプラス」です。だいたい中の上といったところでしょうか。しかし、円は世界的に安全な通貨と思われているので、有事などで円は買われる傾向にあります。

格付けだけが為替市場に影響を与えるものではないことも、覚えておいた方がいいですね。

2.イギリス国債の格下げで何が起きた?   

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では、イギリス国債が格下げされたことで何が起きたのでしょうか? 外国為替市場では、格下げの影響を受けてポンドが売られました

対ドル相場では、一時1ポンド=1・31ドル台という31年ぶりの安値を記録。ロンドンの株式市場でも、金融大手の株価が約15%~17%という大幅な下落となりました。

現在は安定を取り戻しつつありますが、イギリス国債の格下げをきっかけにいろいろなことが起こるのではないかと危惧されています。

まず、イギリスの銀行の格付けが下がるのではないかという懸念。

イギリスの銀行の格付けが下がると当然、銀行に対する信用力が下がります。信用力が下がると、銀行が発行している債券の価値も下がりますね

債券の価値が下がるとリスク回避の流れができ、市場の動きが慌ただしくなります。イギリスの銀行が発行している債券には、世界中の投資家が投資しているのです。そのため債券の価値が下がれば、世界経済に影響を与える可能性もあるでしょう。

また、イギリスでは不動産の価値も下落しているといわれています。これは、ヨーロッパの中心、拠点としての価値が下がっているからです。

3.イギリス分裂の危機も…

最も危惧されている事項はイギリスの分裂です。S&Pも次のように指摘しています。

①イギリス国債の格下げがポンドの価値を低下させ、通貨ポンドが基軸通貨としての地位を喪失するのではないか。

②ポンドの下落は、予想を上回る景気の停滞や、それに伴う財政の悪化を起こすのではないか。

③スコットランドが再度独立についての住民投票を行うのではないか。

こうしたことが起きた場合、さらなる格下げが行われると思われます。特にスコットランドはEU残留を望んでいるといわれており、もし再び住民投票を行えば、イギリスから独立という可能性もあるでしょう。

まとめ

スコットランドの独立はイギリスの小国化を招き、ポンドの価値の喪失は免れません。

イギリスのEU離脱には最低でも2年はかかります。今後のイギリスの動きに引き続き、注意しておきましょう。

英国国民投票によるEU脱退でポンドはどうなった。その時FXでは何が起こる?

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2016年6月23日、英国でEUからの離脱の是非を問う国民投票が行われました。結果はEU離脱派の勝利に終わります。

では、その国民投票が世界経済にどのような影響を与えたのでしょうか。くわしく見ていきましょう。

1. そもそも国民投票はなぜ行われたのか?

そもそも、なぜ国民投票が行われることになったのでしょうか? 2009年ごろから欧州議会議員選挙やイギリス統一選挙で、EUからの離脱を唱える英国独立党が議席数を伸ばしはじめます。

2013年、キャメロン首相はその動きをけん制するために、国民投票をする方針であると表明したのです。

なぜ、EUからの離脱を唱える英国独立党が躍進してきたのか? それは、イギリス国民の間に移民や難民の増加による不満や、EUにおける債務危機に対しての不信感があったからです。

①移民や難民の増加

移民の増加はイギリス人の失業率悪化を招きます。また、難民の費用は国の税金から支払われることも、イギリス人の不満につながりました。

そのため、EUから離脱したいと思う人が増えてきたのです。

②EUにおける債務危機

EUにおける債務危機は、もともとギリシャの財政危機が発端です。それがEU各国に飛び火しました。イギリス人の中には「EUに加盟していなければ他国の財政危機の影響は受けなかったのに…」と思う人が増えていきます。

EU残留派にも言い分があります。それはEUから離脱すると、企業や金融機関がイギリスから出ていくのではないかという懸念です。EUの加盟国間では関税はかかりません。そのためEUで取引をしたい多くの企業は、イギリス特にロンドンに支店を置いています。

しかし、イギリスがEUから離脱すると、イギリスとEU加盟国との取引に関税がかかるために企業や金融機関がイギリスから出ていき、他のEU加盟国、特にフランスやドイツに移るでしょう。それはイギリスで多くの失業者が出ること意味します。

2. 国民投票の結果と為替への影響

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国民の税負担の増加や失業率の増加を訴えたEU離脱派と、ロンドンの地位低下や金融業界の失業者の増加を訴えたEU残留派。当初の予想では、EU残留派が勝利するという見方が多数を占めていました。

しかし、結果は離脱票が51.9%、残留票が48.1%。離脱派が勝利します。当初の予想を裏切る形となったため、市場は大きく動きました。

日経平均株価は前日より1200円以上も値を下げ、1万4952円に。これは史上8番目の下げ幅でした。

為替市場はどうだったか。ポンドを売って、ドルや円に換えようという動きが加速しました。ポンド・ドル相場が1.33ドル台と1985年以来31年ぶりの安値をつけ、ドル円相場も一時1ドル99円台に突入します。これは数日経っても収まらず、世界経済は大混乱に!

3. イギリスの今後はどうなる?

イギリスはすぐにEUを脱退できるのでしょうか。答えはNOです。少なくとも脱退まで2年はかかります。

EUを脱退するには、リスボン条約で2年かかることが決められているからです。脱退までの流れを見てみましょう。

①EU理事会へ通告

EU理事会に脱退を通告ここから脱退まで2年かかります。

②EU委員会と交渉

脱退するための段取りや条件を、EU委員会と交渉する必要があります。EUもイギリスも当然、自分に有利になるように交渉したいと思いますよね。

EUは離脱が他の加盟国に及ばないようにしたいので、厳しい条件をつけると予想されますし、イギリスはできれば関税をかけたくないと思っているので、交渉は難航し長期間化が予想されるでしょう

③EU議会の承認

交渉がまとまっても、EU議会の承認を受ける必要があります。EU議会過半数の承認を得なければなりません。

④EU理事会の承認

EU議会で過半数の承認をうけると、最後の関門はEU理事会の承認。ここで脱退協定が承認され、イギリスのEU脱退が正式に決まるのです。

まとめ

国民投票が終わっても、まだ長い道のりがあります。

この過程で、さらなる混乱がおこる可能性も否定できません。

脱退協議の混乱は即、マーケットの混乱につながる可能性もあるため、今後もイギリスの動きには注視が必要でしょう。

ギリシャ問題はEU・ユーロにどんな影響を与えた? FXトレーダー必見!

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2010年、2015年にギリシャで起こった一連の財政危機問題。ニュースなどでも頻繁に報道されたので、記憶に残っている人も多いのではないでしょうか?

ギリシャ問題はユーロ圏だけでなく、世界の経済やマーケットに大きな混乱を引き起こしました。

一体、ギリシャ問題とは何だったのか。EUやユーロにどんな影響を与えたのか。今回は、ギリシャ問題について詳しく見ていきましょう。

1.2010年のギリシャ危機

実は、ギリシャ問題、いわゆるギリシャ危機は2回ありました。

まずは、事の発端である2010年のギリシャ危機から見ていきましょう。

①ギリシャ危機の始まり

そもそもの発端は2009年10月、新政権になったことでした。新政権がいままでの財政を確認したところ、赤字額が発表してきた額の3倍以上だったことがわかったのです。これは、国家を危機的な状況に陥れるぐらいの赤字でした。

新政府は解決策として給与や年金を減らし、税金を上げることを発表します。すると怒った国民がストライキを起こし、まさに大混乱に陥ったのです。

ギリシャでの混乱は、世界にも大きな影響を及ぼしました。「ポルトガルやイタリア、アイルランド、スペインなど他のEU諸国も、じつは財政破綻しているのではないか?」「ギリシャがユーロを使っているため、今回の騒動がユーロ圏全体に悪影響を及ぼすのではないか?」と、世界中が疑いと不安のまなざしをEUに向けたのです。

しかも、EUはギリシャを援助するのか見捨てるのか、しばらく態度をはっきりさせませんでした。投資家は徐々に不安になり、結果ユーロを見捨てリスク回避に動きます。

②為替への影響

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ギリシャ危機は当然、為替にも影響を及ぼしました。まず、影響を受けたのはギリシャ国債です。格付け各社がギリシャ国債の格付けを引き下げ、その影響で国債は急落します。外国為替市場でもユーロは下落、世界各国の株価も下落しました。

この間「危機は収まるのではないか」という好意的な意見と、「収まらないのではないか」という悲観的な意見が入り交じり、マーケットはその都度、大きく動いています。

IMF(国際通貨基金)とEUを中心に、ギリシャへの金融支援が決まったのは2010年4月のこと。2010年5月と2012年2月に支援を行うかわりに、ギリシャには厳しい緊縮財政策が課され、IMFへの返済期限は2015年6月と設定されました。

しかし、このことが2015年のギリシャ危機を引き起こすことになるのです。

2.2015年のギリシャ危機

2012年の金融支援のおかげもあり、ギリシャは財政面で改善の兆しを見せていましたが、緊縮財政により国民の生活は苦しくなりました。国民の支持は、緊縮政策に反対する最大野党の急進左派連合(SYRIZA)に移り、2015年1月の総選挙で、急進左派連合のチプラス政権が誕生したのです。

このことが2015年ギリシャ危機の引き金になりました。EUは一層の緊縮策を求めましたが、チプラス政権は緊縮策の受け入れに否定的な立場を表明します。

2015年6月、IMFへの返済期限が近づいていましたが、ギリシャは返済できる状況ではありません。しかし、IMFは猶予期間を設けたり返済延期措置を行ったりはしないとしたため、ギリシャは緊縮財政策を受け入れるか否かについて、国民投票を実施しました。結果は、なんと反対多数

ここで、ギリシャのユーロ離脱が現実味を帯びますが、最終的にはギリシャが折れた形となりました。ギリシャが厳しい条件をのみ、3度目の金融支援を受けることになったのです。

2010年と同じように、外国為替市場は何か動きがある都度大きく動きましたが、金融支援の合意で、何とか大混乱には至らずに済んでいます。

まとめ

このように、ギリシャ問題はEUやユーロに大きな影響を与えました。現在、EUはシリアからの難民問題を抱えていて、ギリシャは難民流入ルートの最前線に位置します。またEUと対立するロシアに近いなど、ギリシャの地理的重要性は増すばかりです。

そこで、債務についても、ギリシャの改革状況によっては負担を軽減しようという動きが出てきました。それでも、ギリシャには大きな債務が残っているため、今後も危機が再発するおそれはあります

これからも、ギリシャ問題には注意を払いましょう。

FX通貨のユーロとECBの関係性!そもそも欧州中央銀行って何?

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ユーロとは切っても切れない関係にある欧州中央銀行(ECB)。ECBの動向一つで、為替レートが大きく変動することもしばしばあります。

では、そもそもECBとはどのようなものでしょうか?

またユーロとどのような関係にあるのでしょう。ここでは、ECBについて詳しく見ていきます。

1.ECBはユーロ圏における「銀行の中の銀行」

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「中央銀行」とは、銀行券(紙幣)を発行したり、国内に数多くある銀行に資金を貸したりする公共的な金融機関のこと。その役割から「銀行の銀行」呼ばれています。日本における中央銀行は、日本銀行ですね。

ヨーロッパの様々な国が加盟しているEUの場合、少し事情が異なります。EUの統一通貨であるユーロを使っている国は、19か国(2016年現在)です。

19か国はそれぞれが独立した国であるため、それらの国をとりまとめる銀行組織として、欧州中央銀行(ECB)がつくられました。ECBはユーロ圏全体の中央銀行というわけです。

2.ECBの目的とできること

ECBの最も重要な目的は、ユーロ圏においてインフレやデフレを抑制し、物価の安定を図ること。また、雇用の創出と経済成長の維持というEUの経済政策を支援するのも重要な役割です。

ECBは2つの目的遂行のために金融政策の方針を示し、それを受けて、ユーロ圏各国の中央銀行が政策を実行しています。

ECBの金融政策のひとつが、物価を安定させるために政策金利を決定すること。「物価の安定」とは、ユーロ圏の消費者物価指数の前年比伸び率が「2%より少し下」である状態を指します。なかなか微妙な言い回しですね。

民間銀行に貸し出す際の金利のことを「政策金利」といいます。政策金利を引き上げれば、民間の銀行に貸し出す際の金利があがるだけでなく、民間の銀行が会社などに貸し出す際の金利も上昇します。金利が上昇することで、物価の上昇が抑えられるのです。

つまり、ECBの金利上昇→民間の銀行の金利上昇→会社が支払う金利大→景気が下向き→物価は上昇しない、という流れです。

逆に、政策金利を引き下げると、ECBの金利下降→民間の銀行の金利下降→会社が支払う金利小→景気が上向き→物価は上昇する、となります。

また、ユーロ紙幣の発行や各種統計情報の収集も、ECBの重要な任務です。

3.ユーロとの関係

上述したとおり、ECBはユーロ圏全体の物価の安定のため、政策金利を上下させることができます。FX通貨のユーロも少なからず、政策金利の影響から免れることはできません。なぜなら、一般的に金利が上がれば通貨が買われ、下がれば売られる傾向にあるからです。

政策金利はECB理事会が決めています。理事会を構成しているメンバーはECB役員会の6名(総裁、副総裁、専務理事4名)と、ユーロ圏内の19人の中央銀行総裁。毎月上旬に政策金利が発表されるので、注意しておきましょう。

政策金利発表後に行われるECB総裁の定例記者会見での発言や、その他要人の発言も、ユーロの値動きに大きな影響を与える可能性があります。

ただし、政策金利の数字やECB総裁の定例記者会見での発言内容そのものよりも、事前の予想と比べてどうかというほうが大切です。例え悪い指数が出ても、事前の予想と同じであれば大きく変動することはありませんし、良い指数が出ても、事前の予想とかけ離れていると大きく変動します。

まとめ

以上、見てきたとおり、ユーロ圏の経済にとってECBは重要な役割を果たしています。ユーロの値動きを見極めるためにも、ECBが決定する政策金利には注意してください。

今後、EU加盟国の経済に、ギリシャ問題のような重大な問題が起きる可能性があるかもしれません。そのときには、ECBの役割はさらに大きくなるでしょう。

永世中立国!スイスフランの特徴から解説。FXの通貨としてはどうなの

スイスは永世中立国。永世中立国とは、将来にわたって他国間の戦争には加わらないことを宣言し、他の国もそれを承認している国のことです。

永世中立国であることが、スイスフランにどう影響するのでしょうか? ここではスイスフランの特徴を見ていきましょう。

1.スイスフラン(CHF)は安定した通貨

スイスフランはCHFと表記され、スイスやその隣国のリヒテンシュタインで使われている公式通貨です。ヨーロッパの金融市場での取引量はユーロ、英ポンドに次いで第3位。

国際決済通貨(キーカレンシー)の一つになっているため、国際的に高い信頼を得ており、安定性も抜群です。その背景には、以下のようなことが挙げられます。

①強みとなる産業がある

スイスは観光業が盛んなうえに、時計、食品・飲料などの世界的な大企業があります。みなさんもご存じの世界的な時計ブランドが、スイスにはいくつもありますよね。

これは資源相場の動きに影響されない産業基盤を持っていること意味し、スイスフランの安定性につながっているのです。

②永世中立国を宣言している

スイスは永世中立国を宣言しており、その中立性を守るための強い軍隊も持っています。

そのため、他の国の戦争に巻き込まれる心配がないといえるでしょう。逆に他の国で有事が起こったときは、資金がスイスフランに流れる傾向があるので、注意しておきましょう。

2.金利が低いのでスワップポイントは狙えな

スイスはゼロ金利を続けるなど、金利が低い国として有名です。そのためFXではスワップ金利を狙っての取引はできません。スイスフランを使うなら「キャリートレード」がよいでしょう。

金利の低い通貨を借りてきて、より金利の高い通貨に換えて運用する。これがキャリートレードとよばれる取引です。

スイスフランを調達して売り、より金利の高い通貨を買って運用することで、2国間の金利差を利益として得るわけですね。

3.金との連動性が高い

2014年に行われた国民投票で、スイス中央銀行の金保有引き上げが否決されました。

しかし、スイスは昔から金を多く保有しており、スイス=金といった印象が根強くあるため、しばしばスイスフランは金相場に連動して動きます。世界で戦争やテロが発生すると、金とスイスフランがともに上昇する傾向にあるので、注意しましょう。

4.スイスフランに影響を与える経済指標

スイスフランに影響を与える経済指標には次のようなものがあります。

①SNB(スイス中央銀行)政策金利発表

年4回(3月、6月、9月、12月)発表されるスイス中央銀行の政策金利。スイスフランは金利が低く、日本と同じ様にマイナス金利になることもあります。

通常、金利が引き上げられるとその国の通貨は買われ、引き下げられると売られるという傾向が見られますが、2015年1月15日に起きた「スイスフラン・ショック」のときだけは例外でした。

SNBは2011年以来、為替相場において1ユーロ=1.20スイスフランまでという対ユーロの上限を設定していましたが、この日に上限の撤廃を表明。金利も-1.25%に引き下げられています。

対ユーロの上限撤廃は金融市場に大きなインパクトを与え、金利の引き下げにもかかわらず、スイスフランは大きく買われて急激なスイスフラン高となりました。

②消費者物価指数(CPI)

小売・サービス分野における販売価格を調査し、数値化したもの。インフレの動向を探るための指標ですね。

事前の予想値と比べてどうなっているかが重要で、予想値よりも良ければスイスフランは買われ、予想値よりも悪ければ売られやすくなります。

③KOF先行指数

KOF先行指数はスイスの経済研究所が発表している経済指数のこと。6〜9ヶ月先の経済動向を先読みします。

こちらも事前の予想値と実際の指数との比較が重要で、予想値よりも高いほどスイスフランは買われるのです。

まとめ

スイスフラン・ショックのような例外を除き、スイスフランは安定した通貨。世界からの信頼度が高いのも特徴です。

ただし、金利は低いため、FXではスワップ金利で利益を得るのは難しいでしょう。キャリートレードを行う際の、調達通貨として利用することをおすすめします。

FXはユーロで取引!特徴を抑えてトレードしよう!

EU参加国のうち、19か国で用いられているユーロ。

使われている国が多いということは、流通量も多いということです。

ユーロの動きを見極めるには、どのような点に気をつければよいのかまとめてみました。

ユーロは第2の基軸通貨

ユーロは1999年にEUの通貨を統一するために作られた通貨です。取引量、流通量ともに米ドルの次いで世界第2位。2016年現在、ユーロはEU参加国のうち19か国で使われているんですよ

19か国はそれぞれ独立した国であるため、ユーロ圏をまとめる銀行組織が必要です。そこで、欧州中央銀行(ECB)が作られました。しかし、EU参加国はそれぞれが中央銀行を持っていて、ECBだけで金融政策を決めることができません。

そこで、ECBと各国の中央銀行で構成された欧州中央銀行制度(ESCB)で、ユーロ圏の金融政策を決定。各国の中央銀行は、ESCBで定められた金融政策を実施することになっています。

ユーロの特徴

1.トレンドが読みやすい

ユーロは米ドルの次に取引量、流通量が多い通貨です。

第1の基軸通貨である米ドルが何らかの理由で売られると、次に信頼性の高いユーロに資金が流れ、値があがるという傾向があります。

2.19か国で使われている通貨

ユーロの特徴としてあげられるのは、何といっても19か国で使われているということ。EU加盟国のうち、1つの国の経済状態がよくても他の国の経済状態が悪いと、そのリスクを皆で共有しなければいけません。

そのため、加盟国全体の経済状況をある程度、チェックしておきましょう。特にドイツやフランスは全体に与える影響が強く、他の国でリスクがあったときにこの2か国でそのリスクをまかなうことができるかがポイントになります。

ユーロに影響を与える経済指標

アメリカや日本のように単一国の通貨ではなく、さまざまな国で使われているユーロ。

そのため多くのデータがユーロに影響を与えることになります。ここではユーロに影響を与える主な経済指標を見ていきましょう。

1.ユーロ圏全体の指標

①欧州中央銀行(ECB)の政策金利発表

「銀行の銀行」といわれている中央銀行。各銀行にお金を貸しているわけですね。その際の金利を政策金利といいます。

一般的に通貨の信頼性や売買を左右するといわれている金利です。金利が上がれば通貨が買われ、逆に下がれば売られる傾向にあります。

②ECB議長や加盟国要人の発言

ECB議長の発言は当然、ユーロに影響を与えます。しかしEUの場合は加盟国の要人の発言により、為替レートが変動する場合があるためECB議長だけでなく、彼らの発言にも注意が必要です。

③消費者物価(HICP)

EU各国にはそれぞれ消費者物価指数がありますが、EUでは「消費者物価(HICP)」という加盟国の統一基準をつくっています。金利の動向を予想するうえで注意しておきましょう。

2.ドイツ・フランスの指標

ドイツやフランスはユーロに対する影響力が強いため、ユーロの動きを予想するためには、2国の経済指標を押さえておきましょう。

①ドイツ・フランスの失業率

ドイツとフランスの失業率は、各国の景気を判断する上で重要な指標です

② Ifo景況感指数

Ifo経済研究所はドイツの公的研究機関。ドイツの企業7000社の役員を対象に今後半年における景気の見通しのアンケートを行い、算出した景況感指数を月ごとに発表しています。

この指数が100を越える傾向が続くと、利上げを模索する可能性があるでしょう。

③ZEW景況感指数

ZEWはドイツの民間調査会社。機関投資家、金融関係者や市場関係者などに今後半年における景気の質問を行い、算出した景況感指数を発表します。

こちらも月ごとに結果が発表されますが、Ifoより1か月程度先行して発表されるので要注意ですね。

まとめ

上記の指数は為替相場に影響を与えますが、「事前の予想とどれぐらい違っているか」が影響度を決めます。

例え悪い指数が出ても、事前の予想と同じであれば大きく変動することはありません。

金融の本場!ロンドンの英ポンド。FX通貨としてどんな特徴があるの?

世界にその名をはせた大英帝国。国の勢いは通貨にも表れ、かつて英ポンドは世界の基軸通貨でした。

第二次世界大戦後、世界への影響力は低下したとはいえ、今も英ポンドは世界第4位の流通量を誇ります。

FXで英ポンドを扱う上で注意したい点をみてみましょう。

英ポンドは値動きが激しい!

英ポンドの特徴の大きな1つとして、「値動きが大きい」ということがあげられます。要因は以下の通り。

1.米ドルやユーロよりも高い価値

米ドル/円やユーロ/円よりも、為替レートが高い傾向にある英ポンド/円。価値変動する率が通貨と同じであっても、英ポンド/円の変動幅は大きくなり、値動きも大きくなります。

2.個人投資家が多い

海外よりもイギリス国内での取引が多い英ポンド。他の通貨よりも流通量が少なく、国内に個人投資家が多く存在します。

流通量が少なく、個人投資家が多いということは、値を動かそうとする動きがあると他の通貨よりもその影響を受けやすく、値動きが大きくなるということです。

短期間での為替差益が狙えるが、初心者は注意!

英ポンドは値動きが大きいため、短期間での為替差益が狙えます。また、短期間の売買で大口の取引が発生しやすいのも特徴。そのため、一時的な激しい値動きがあることを念頭に置いておきましょう。

しかし、大きな利益を短時間で得られるということは、大きな損も短期間で出すということ。トレードに慣れていない初心者の場合、急な値動きに対応できないこともあります。英ポンドはどちらかといえば、中上級者向きの通貨なのです。

以前は高金利が続いていた

現在は落ち着いている感がありますが、以前は高金利がずっと続いていました。そのため、スワップポイントで利益が出せるのも特徴の1つです。ただし、スワップポイントで利益を出すためにはある程度の期間、英ポンドを持ち続けなければいけません

前述したとおり、英ポンドは値動きが大きい通貨。ロスカットされないように気を付けないといけませんし、たとえ今下がってもまた急激に値が上がるということがあるため見極めが大事です。そのためにも、イギリス経済についての勉強は欠かせません。

英ポンドに影響を与える主な経済指標

イギリスの経済を知るために必要な経済指標を見ていきましょう。

1.イングランド銀行(BOE)政策金利

毎月上旬に発表。金利が上がると、ポンドを買い求める人が増えてポンド高になり、金利が下がればポンド安になります。

英ポンドの場合はスワップ金利のこともありますので、BOEが発表する政策金利を十分チェックしておきましょう。

2.BOEインフレレポート

BOEが毎年2月、5月、8月、11月の上旬ごろに発表するインフレの報告。発表後に1円以上動くということがよくあるため、この指標も重要です。

3.雇用統計(失業率)

雇用統計の指標は少なからず、為替に影響を与えます。雇用統計の良し悪しというよりは、事前の予想とどれだけ離れているかが重要です。

4.金融政策委員会(MPC)の議事録公表

MPCはBOEに設置されている委員会のこと。政策金利の決定などの重要事項の決定を行います。

5.BOEとMPC関係者の発言や動向

こちらも直接、為替に影響を与える場合があります。

6.国内総生産(GDP)

GDPは国の経済力を図る指標の中で最もよく使われる数値。情報の中で一番早い速報値が最も重視されます。

7.購買担当者指数(PMI)

製造業やサービス業の購買担当者を対象とし調査したもの。将来の景気動向を占う上で重要な指数です。

まとめ

繰り返しになりますが、英ポンドは値動きが大きく、ハイリターン・ハイリスクを生みやすい通貨

そのためイギリス経済の今後の予想等をしっかり見極めないと、大きな損を生みかねません。

FX初心者より中上級者向けの通貨ですが、英ポンドで取引するときは経済指標を把握し、よく考えてトレードしましょう。

世界の基軸通貨!米ドルの特徴とは。FXで利益を上げるには!

FXを始めるなら、まずは押さえておきたい米ドルの特徴。数ある通貨の中でも、安定性と安全性の高さはいちばんです。米ドルを知ることは、世界の情勢に関心を持つこと。そして、FXで成功するための第一歩なのです。

米ドルは世界の基軸通貨

外貨預金から海外旅行、貿易、金融商品の売買、投資にいたるまで、国と国とのやりとりにはさまざまなものがあります。世界でいちばん利用されている通貨な何でしょうか? いうまでもなく米ドルですね。

米ドルは流通量・取引額ともに世界でもっとも多いことから「世界の基軸通貨(キーカレンシー)とよばれています。

米ドルの特徴

それでは、米ドルの特徴を見ていきましょう。

1.安定した通貨

前述のとおり、米ドルは世界の基軸通貨であり、世界でいちばん流通量が多い通貨です。たとえ、一部の投資家がまとめ買いしても、米ドル全体的な規模からいうとほんのわずかな影響しか与えず、為替レートが大きく上がり下がりすることはありません。

そのため、米ドルは各国の通貨の中で比較的安定した(上がり下がりがない)通貨といわれています。

2.情報量が多い

世界における米ドルに関する情報は、新聞やニュースなどでいつでも入手できます。つまり、取引の判断材料が多いということ。各国の通貨の中で比較的安定し、情報量が豊富で判断材料が多いことから、米ドルはFXを始めたばかりでなるべく損失リスクの低い通貨で取引したい方や、長期的に保有したい方向けの商品といえるでしょう。

米ドルに影響を与える要素

米ドルは比較的安定した通貨といわれていますが、まったく上がり下がりがないわけではありません。影響を与える要素がいくつかあります。米ドルを発行できるのは、アメリカ合衆国の中央銀行であるFRB(連邦準備制度)だけ。FRBは中央銀行として、銀行の監督・規制や金融政策の実施、公開市場操作などを行います。

こうしたことが行われると、米ドルの価値・レートは変動します。銀行の監督・規制や金融政策の実施、公開市場操作の目的は、おもに適切な雇用の維持や物価の安定のため。

ゆえに、雇用の維持や物価の安定に関係する指標の発表や発言があると、米ドルに影響を与えるのです。代表的な経済指標は、下記の通り。

  • 雇用関連の経済指標…非農業部門雇用者数、失業率
  • 物価関連の経済指標…GDP
  • FOMC(連邦公開市場委員会)の声明文

経済指標の発表前には、情報機関や金融機関による予測が立てられます。為替はつねに何かの情報に基づいて動きますが、ポイントは失業率や雇用者数が低水準なのか高水準なのかというよりは、以前にくらべてどうだったのか、情報機関や金融機関などが発表した予測と比べてどうだったのかという点。予測と大幅に違えば、為替も大幅に動きます。

年に8回開催される米国FOMC(連邦公開市場委員会)の声明も、重視しなければなりません。FOMCは国債の売り買いオペレーションなどの手法を用いて、通貨の供給量を調整するため、為替に一定の影響を与えます。これとは別に、突発的に起こるFRB議長の発言や声明にも注意しましょう。

また、米ドルは世界各国で使われているため、紛争や戦争などの有事も為替に影響を与えます。米ドルは安定した通貨価値を持っているため、昔は「有事のドル買い」といわれ、紛争や戦争などがあったときには、日本円以外の世界中の通貨が売られて米ドルが買われる傾向にありました。

しかし、現在はイラク戦争や対テロ戦争、リーマンショックなどにより「有事のドル離れ」の傾向が強まり、円高ドル安になることも多くみられます。

まとめ

安定性ゆえにFXでは比較的扱いやすい通貨といわれる米ドル。しかし、アメリカ国内の雇用や物価にかかわる指数に影響されることを、頭に入れておきましょう。また、世界各地の有事の際にも動きます。

アメリカはもちろん、世界の動向にアンテナを張っておくことは、米ドルの動きを察知するうえで必要不可欠。米ドルの動きを知ることは、FXで利益を上げるための第一歩なのです。